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​支持的心理療法

 心理カウンセリングって「ただ話を聞くだけ」だと思っていませんか?心理カウンセリングを経験した事のない方には(もしくは経験した方の中にも)、「心理士って、ただ『うんうん』と話を聞いているだけでは・・・?」というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。もちろん、「共感、傾聴」を大切にするのは、私たち心理士の基本でもあります。ただ聞いているように感じられると思いますが、心理士は専門的な理論や今までの経験にもとづき、お話して下さる人について理解を組み立てながら話を聞いています。センターでは特に「精神分析」の理論に基づきお話を聞いています。詳しくは『精神分析的心理療法』の記事を参考にしてください。

 この「支持的心理療法」では、心理士はただ聞くだけではなく、より具体的な状況を質問したり、時に励ましたり、選択肢を提示したり・・・。そうすることによって、相談者の方が葛藤を乗り越えるのを支えながら、自己理解を深めるお手伝いをします。

 それぞれの目的に応じて、相談者の方の自己理解を深めるサポートをする心理カウンセリングは登山に例えられることがよくあります。心理カウンセリングの方法によっては、黙々と相談者と共に登る心理士もいるでしょう。自ら先頭に立って相談者を引っ張っていく心理士もいるかもしれません。

 「支持的心理療法」はどうかというと、心理士は「もう少し周りを見て下さい」、「今のペースで大丈夫ですか?」、「もうそろそろお昼の時間ですね」「少し休みましょう」などと相談者へ気づきを促す声掛けをしながら、一緒に山に登る登山仲間のような存在です。もちろん主導権(どの山に登るか、右へ行くか、左へ行くか・・・または下るか)は相談者の方が握っています。

 このように、「支持的心理療法」は、相談者の方の状態が安定することを重視した心理カウンセリングです。そして、他の心理カウンセリングに比べると、相談者の方の状況や状態に応じて、心理士がより柔軟に、より積極的にアプローチしていくところが特徴です。

 センターでは、この「支持的心理療法」も行っていますので、安心してお話していただければと思います。

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